五島うどんVS伊勢うどん「ご当地うんちく」食べ比べモニターレポート~伊勢うどん大使も参加!~

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太さ、コシ、製法、合わせるだしから食べ方まで、実にたくさんの種類があるうどん。うどん誕生の起源は諸説ありますが、有名なところでは奈良時代の遣唐使が中国から持ち帰った小麦粉の菓子「混飩(こんとん)」が始まりとの説があります。

元来、小麦に水を混ぜ、こねて麺にするというのが基本のうどんですが、優に1000年を超える遠い昔から、長い時間をかけて、日本中の様々な場所でその地の農産物と合わされ、製造方法も独自の進化を遂げて、日本各地でご当地ならではのうどん文化を形成しています。

そこで「ココ・コノミ」では、2県の対照的なうどんに注目し、今回は意外に知られていない「五島うどん」「伊勢うどん」の食べ比べモニター企画を実施しました。単に美味しさだけではない、うんちく対決の結果はいかに。

今回は各々の観光ガイド資料もお届けし、5つのチェックポイント「1.地域性」「2.歴史」「3.原材料」「4.製法」「5.レシピ」で評価してもらい、うんちく込みでの満足度を比較してもらいました。(観光ガイド情報協力:日本橋 長崎館三重テラス

【モニター実施概要】

  • 募集方法:告知・エントリーURL(https://5konomi.jp/g/vsudon
  • 回答期間:2016 年8月20日(土)~9月4日(日)
  • 有効回答数:30名(男性7名・女性23名/関東地方17名・近畿地方4名・中国地方3名・四国地方2名・北海道地方2名・東地方1名・中部地方1名)
  • スペシャルサポーターについて

s-_dsc8391著名コラムニストであり伊勢うどん大使の石原壮一郎さん(公式サイト)にスペシャルサポーターとして本食べ比べモニターにご参加いただきました。伊勢うどん愛好者目線の五島うどんへの評価はいかに?!

気になる満足度チェックの結果はコチラ!

 

まずは「うんちく」のおさらい

五島うどん  うんちく比較 伊勢うどん
キリスト教信仰の島 地域性 伊勢神宮の門前町
隠れキリシタンの教会と青い海、白い砂浜、風光明媚な秘境 2000年の歴史の名社伊勢神宮には、鎌倉時代からお陰参りとして全国からたくさんの人が訪れている
遣唐使の寄港地 歴史(発祥由来) お伊勢参り名物
五島うどんの発祥は、奈良・平安時代の遣唐使船によって日本で最初に製法が伝わり、日本のうどんのルーツとなったという説がある(遣唐使は619年~894年) 360年程前「伊勢うどん屋」が登場し、参詣客に大人気となり伊勢の名物に
あごだし・天然塩・椿油 原材料 たまり醤油・鰹節
五島灘の天然塩を使った生地に、名産の椿油を塗りながら延ばす。だしは五島の飛魚。すべて無添加の天然素材 地味噌からできるたまり醤油と豊富な海の幸のだし
手延べ 製法 太く柔らかく
椿油を塗りながら2本の箸を使って延ばし、熟成させる、コシが強く切れにくい手延べ製法 お伊勢参りの疲れた旅人の胃にやさしい1時間近くゆでる極太麺
あごだしと合わせる レシピ たまり醤油のたれを絡める
あごだしをかけたり、つけたり たまり醤油にだしを合わせた黒い“たれ”を薄めずにそのままかけて絡める

[集計結果その1] 満足度分析(総合評価)

・満足度の平均値では、五島うどんは138%、伊勢うどんは125%という結果になりました。

・五島うどんの方が満足度が高かったモニターは22名、伊勢うどんの方が満足度が高かったモニターは3名、満足度が同じだったモニターは5名となり、『五島うどん好み』が多数派という結果になりました。

満足度分布グラフ

ココ・コノミ
「ココ・コノミ」では、5つのチェックポイント(ユーザー自身で変更可能)について、5段階(とても好き・好き・ふつう・嫌い・とても嫌い)と「特に重視するかどうか」で評価すると、満足度を(0%~200%)自動計算する仕組みになっています。なお満足度の分布は、49%以下は「問題あり」、50~89%は「期待外れ」、90~119%は「納得できる」、120~155%は「リピートしたい」、156~180%は「ヘビロテする」、181~200%は「ファン決定」とし、消費者心理を“見える化”しています。

 😀 満足度高いモニターの声紹介(総評)

五島うどん
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細いのにコシが強くて驚きました。地獄炊きにもかかわらず、最後まで食感が損なわれることなくおいしくいただきました。つめたく冷やしていただいた方が喉ごしのよさがわかりました。

讃岐のコシ、稲庭うどんのツルリとした食感、それらを併せ持つような麺だと感じ、日本のうどんのルーツとなったという説というのもなるほどと思いました。そしてなにより透き通った上品なあじわいの「あごだし」のスープとの相性がとてもよく、いくらでも食べられる美味しさでした。

楕円形の五島手延うどんは、口に入れた瞬間から滑らかさを感じます。麺に表情があるとするなら、とても女性らしい麺面。ぷつんと心地よい歯切れもとても好きな食感です。細すぎないふと過ぎない麺で椿油の風味でしょうか、とでも穏やかな味わいです。飛魚出汁粉末スープは、私の住む関東ではなかなか味わえない風味。すっきりとした味わいは飛魚の発達した筋肉身で脂が少ないからと同封のパンフレットを読み知りました。粉末スープは溶けきれず出汁の下に溜まりますが、味わいにザラみは全くなくとても美味。とても美味しくいただけました。

うどんは平たいという関東地方の概念を打ち砕かれました。まるでロングパスタのような切り口が丸くて、まるでアルデンテでした。飛魚の出汁で食するのもなんとも不思議で、飛魚で出汁を取り調味料を加えて成立するものという料理の知識が吹っ飛びました。

初めて食べた細いうどんでしたが、モチモチした食感と噛み応えのあるコシか良かったです。この細さからでは想像できなかったですが、これは食べてみないとわからない品質でした、更に、普通にスープと混ぜて一人前ずつ用意ではなく、鍋で家族ですくいながら食べる「地獄炊き」が良かったです。アツアツの鍋で顔を合わせながら食べるうどんは、とても斬新でした。飽きる事なく最後まで美味しく食べられたのは、このコシが秘訣だと思います。みんなで美味しく頂きました。

伊勢うどん
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コシの強いうどんばかり、注目されていますが、柔らかいうどんも、胃に優しくて、良いなぁと思いました。

初めて食べました。正直言うと、食わず嫌いでした。「うどんはコシが命!ダシは透明に限る!」と思っていたからです。私と同じように感じている方。ぜひ試して下さい。別物です。別物として、かなり美味しいです。長年損してきたなと思うほどに。その辺のうどんをふやかしてもこうはならない、オンリーワンな感じがまたいいですね。リピート決定!

初めて食べました。コシのない柔らかい麺も好きなので楽しみにしていました。最初甘めの出汁にびっくり。でも、食べ進めると麺との相性も良く、美味しくいただけました。

初めて伊勢うどんをいただきましたがこんなに美味しいとは思いませんでした。あまり伊勢にいく機会はないですがいろんなアレンジを考えるのも楽しいですし、伊勢の魅力を少しだけ知れた気がします。早速伊勢旅行を計画しようかな(^.^)

式年遷宮やサミット開催ということで伊勢を紹介するテレビ番組を目にする機会が多くなり、そこで「伊勢うどん」を知り以前から食べてみたいと思っていました。今回、観光パンフレットや伊勢うどんに関する資料を読むことで、その特長の1つである「コシのなさ」や濃い目のタレを混ぜて食べることが、決して奇をてらったものでもなく、伊勢という場所や歴史的背景が影響していることを知ることが出来ました。美味しい食べ方や特長を知るだけでなく、様々な資料を読むことでただ食べるだけでは気がつかなかったかもしれない気づきもあったので、貴重な機会となりました。

[集計結果その2] チェックポイント分析

・五島うどんは、原材料・レシピ・歴史(発祥由来)・製法・地域性・品質・作り手のこだわり の順に評価が高い結果となりました。
・伊勢うどんは、レシピ・地域性・歴史(発祥由来)・製法・原材料 の順に評価が高い結果となりました。

五島うどんのチェックポイントチャート図

五島うどんのチェックポイントチャート図

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伊勢うどんのチェックポイントチャート図

『①地域性』の違いはココ!

五島うどん

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 VS  伊勢うどん

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モニター様の印象的なワード・コメント  モニター様の印象的なワード・コメント
豊富な食材 心づかい
哀しい歴史のある国とカステラの印象でしたがそれを超える豊富な食材、美しい建物、透明で青い海。恵まれた自然の中で生活を育む方達の素晴らしさがとても伝わった様に感じました。 お伊勢参りという伊勢ならではの人々の優しい心づかいを感じることが出来ました。
風土 おもてなし
出汁の味わいに五島の風土を感じます。うどん作りのポイントにもなっている椿油と塩 これは一度現地で製造過程も見てみたいですね。 一度は行きたい伊勢。旅の終着店にこんな優しいうどんがあるのは、さすが日本の優しさと感じました。旅客を出迎える地域のおもてなしも気になります。
神秘的 趣深い
キリシタン迫害、弾圧の過酷な歴史をもつ五島列島は、それとは裏腹に、エメラルドグリーンに輝く海と沢山の小島からなる素敵な神秘的な地です。 全く馴染みのなかった三重。サミットがらあったので、名前は聞くものの、海に面した県くらいの知識しかありませんでした。今回、山、滝などの海以外の美しい自然景観もたくさんあり、趣き深い県なんだなと。発見だらけです。

『②歴史・発祥由来』の違いはココ!

五島うどん

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 VS  伊勢うどん

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モニター様の印象的なワード・コメント モニター様の印象的なワード・コメント
強さ 思いやり
遣唐使時代からのうどん作りには驚かされました。当初は素朴な麺だったのだと思いますが、中国から伝わってきたとは、人のパワーの強さに感心しました。 天照大神を祀る伊勢神宮。昔人は、その  お伊勢さん  目指して、長い長い旅をして歩いた。その長旅に疲れた胃に優しい食べ物を、と出来た伊勢うどん。なんと優しい思いやりに溢れた食べ物でしょう。
驚き 神聖
以前は県内でもあまり口にすることがなかったため、こんなに歴史のある食べ物だとは思いませんでした。初めて食べた時は麺の細さ、コシの強さに今まで食べたうどんや素麺と違うことに驚きました。 由来に伊勢神宮が関係してるというのが素敵です。西出身の私にはこの黒いタレに大きな嫌悪感がありましたが、この白黒のバイカラーが神聖だといわれたら、ありがたく思えました。
貴重 知恵
キリスト教の使徒達が大切に守り抜いて来た貴重で大切なうどんは、まさに「日本の三大うどん」と呼ぶのに相応しいと感じます。 伊勢の農民が地味噌から出来た「たまり」を自作の小麦粉から作ったうどんに少しかけ食べていたのが伊勢うどんの始まりと言われているという点が、とても魅力的。昔の人の知恵が生んだおいしさなんですね。

『③原材料』の違いはココ!

五島うどん

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 VS  伊勢うどん

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モニター様の印象的なワード・コメント  モニター様の印象的なワード・コメント
感嘆 抜群
塩・油・旨と読み、なんだろうと思ったら、何とシンプルでクオリティの高い原材料だと感嘆しました。汚れのないブルーの海からの贈り物、真っ白な塩。椿油の利用も驚き、これは完全に良い味なはずと思うアゴダシ。それぞれを巧く組み合わせるものだと思いました。 濃い味付けが、茹であがったばかりのうどんにしっかり絡み付いて非常に美味しかったです。真っ白なうどんがきつね色以上に濃く染まる感じも、「染み込んでいるな〜」と、強い印象を感じることができました。
安心 こだわり
五島うどんは、小麦粉と五島灘の海水からとったミネラル豊富な天然塩、そして椿油でのみ製造され、あごだしのスープも五島の近海で豊富に獲れるあごを原料とし、化学調味料や保存料も無添加であるとのこと。子どもがいることもあって、こうした安心安全な素材で作られていることにとても魅力を感じました。 たれには多くの種類のだしが入っていたので、とてもこだわりを感じました。

小麦粉と塩と水。これだけの材料ですが、厳選された質にこだわりを感じます。

特別 独特
天然の塩を使っているということで、健康に良さそうだなと思いました。また、その土地ならではの食材を使っていることもあり、特別さを感じました。 濃い目のタレが、伊勢独特のたまり醤油をベースにしていることなど、説明が加わっていることで地域独特の食文化の一端も知ることが出来ました。
また、今回試食した商品パッケージはすべて英語表記もあり、海外からの観光客も多いのだなと気がつき、英語でどのような表現になるのか興味深く読みました。

『④製法』の違いはココ!

五島うどん

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 VS  伊勢うどん

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モニター様の印象的なワード・コメント  モニター様の印象的なワード・コメント
職人技 不思議
麺の製法が通常どういったものかわかりませんが、白蛇みたいに渦を巻いてるのに、職人技で均等に真っ直ぐと、日本人の魂みたいにストンッと並んでいて、小気味よく美しいです。手延べは並大抵の事では出来ないと思います。 うどんは柔らかいけれど、お箸で持っても切れることがないのが不思議。噛むと大変やわらかくて癖になりそう。たまり醤油はほんのり甘くてコクがあり、ずっとこの味を守ってきてのだろうと想像しました。
地産地消 ゆで時間
五島うどんには、五島の天然塩を混ぜ込んで作っているので地産地消という理にかなう製法がゆるがぬ伝統を作り上げていると感じました。 太く柔らかい麺を長い時間茹でると、溶けてしまいそうだが、水分を多く含むことで、柔らかくなり、うどんを食べていると言うより、どこか、ショートケーキかチーズケーキのような感触を感じるような製法に感激します。
奇跡 斬新
五島特有の島風と塩と椿油の加減が、出来上がりを左右する勘が頼りの製法が、古来よりずっと受け継がれている奇跡に感服する。 斬新ですよね。福岡のコシのないうどんに似てるかとおもいきや、全然違う別物です。コシがない。よりは、ふわふわしている。が適切な表現。製法の工夫が感じられました。

『⑤レシピ』の違いはココ!

五島うどん

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 VS  伊勢うどん

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モニター様の印象的なワード・コメント  モニター様の印象的なワード・コメント
マリアージュ 簡単
飛魚の透き通るような、すっきりとした出汁に、本当にするすると滑るように喉を通る五島うどん。この組合せはまさに出会うべくして出会ったマリアージュだと思います 簡単に作れるし、すぐに食べることが出来るのでとてもいいなと思いました。
家族で おやつ
初めて出会ったうどんでした。参考レシピに従って、「地獄炊き」で頂きました。細めのうどんでしたが、きちんとコシがあり最後まで飽きることなく完食しました。しかも、地元流でサラッと食べることができました。家族でうどんを鍋から共有するというのも面白かったです。 甘めのたれなので、おやつっぽくも食べれる。

おやつとか、お夜食にも最適!

アレンジ ユニーク
いただいた資料には「地獄炊き」やアレンジメニューはあったのですが、ちょうど暑い時期でもあったし、なにより麺とスープそのものを味わいたいと思ったので、シンプルな食べ方やどのような具材をあわせているかをもっと知りたいと思いました。ネットで検索して茹で方や具材の例を知ることが出来たのでそちらを参考にしましたが、「五島うどん」についての読み物風あるいはアレンジメニュー以外に、そもそもの五島うどんの食べ方や茹で方等についてのレシピがあると良いと思いました。 「伊勢うどん」のレシピとして茹で方から用意したいもの等、随所に丁寧に説明があり、初めてでも悩むことなく調理することが出来ました。おススメのトッピングや伊勢うどんが似合うシチュエーションなど、クスリと笑いながらも参考になりました。
今回は途中から卵黄を加えてました。まろやかな味わいになりタレの濃さも気にならず最後まで美味しく食べることが出来ました。そして、個人的に「伊勢うどんを食べるとわかる5つの教訓」がとてもユニークかつ、素敵な資料だなと思いました。これまで自分が思っていた「うどん」の美味しさと異なる特長を持つ「伊勢うどん」ですが、それを受け入れて食べることで、様々な気づきのきっかけになのだと資料を読みながら思いました。

[スペシャルサポーター] 石原壮一郎さんの食べ比べ結果は・・

多数の著作があるコラムニストであり、日夜あの手この手で世界に向けて伊勢うどんの魅力を熱く発信している伊勢うどん大使の石原壮一郎さん。その石原さんの愛して止まない「太くて柔らかくて優しい伊勢うどん」と対極にある「細くてコシのある五島うどん」を食べ比べていただき、現地のガイドブックを楽しみつつ、それぞれのご当地うどんの魅力を紐解いてもらいました。

『どちらも満足度200%!』

申し訳ありませんが、勝ち負けはとうていつけることはできません。

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五島うどん

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VS 伊勢うどん

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伊勢うどんと五島うどん、対照的なふたつのうどんを同時に食べてみたことで、それぞれの魅力をより深く味わうことができました。

五島うどんは細くてコシがあるのが特徴ですが、同じ特徴を持つ讃岐とも稲庭ともまた違う味わいで、高いオリジナリティと独自の気高さを感じずにはいられません。

ふたつを食べ比べたことで、うどん文化の多様性と底力をあらためて感じることができました。申し訳ありませんが、勝ち負けはとうていつけることはできません。対照的なうどん同士、からまりあって力を合わせながら、うどんの発展に向けてこれからもともにがんばりましょう。

総評 伊勢うどん大使をやらせてもらっている身としては、今回の食べ比べに参加させていただいて、光栄の至りです。

片や、太くてふんわりした食感が持ち味の伊勢うどん。片や、細くてツルツルシコシコの五島うどん。対照的なうどんを食べ比べたことで、両方の魅力をさらに深く思い知ることができました。うどんの魅力は、その多様性にあると言えるでしょう。

いろんなうどんを食べることで、物事全般に対する「こうじゃなきゃいけない」という固定観念の呪縛から逃れられます。伊勢うどんも五島うどんも他のうどんも、みんな違ってみんないい。対照的なうどん同士、これからも力を合わせてがんばりましょう!

間違いなく、五島でしか作れないうどんだと思います。五島の環境、五島の歴史、五島の文化、五島の人々の思いが、あの細い麺にすべて練り込まれている気がします。

まだ五島に行ったことはありませんが、同封されていたパンフレットにあった美しい景色、素朴な街並みが、すするたびに目の前に広がりました。

1.地域性 伊勢うどんと伊勢神宮、そして伊勢の街は、切っても切れない関係にあります。江戸時代から、お伊勢参りの人々に愛されてきた伊勢うどん。そのふんわりした食感で、旅人のお腹と心を癒してきました。

伊勢うどんの丼には、伊勢のおもてなしの心がつまっています。伊勢うどんを食べれば、伊勢神宮や伊勢を感じることができるでしょう。また、そのやさしいやわらかさは、伊勢の人々の気質を表わしています。ぜひ本場で伊勢うどんを食べて、やさしいやわらかさに包まれてみてください。

もしかしたら、日本で初めてうどんが伝わった場所かもしれないというところに、とても感動しました。

そして、長いあいだキリスト教が迫害されてきた過去も、五島うどんのやさしいけどコシがある食感と深い関係がある気がします。

2.歴史(発祥由来) もともとは、伊勢の農民がハレの日の食べ物として、うどんに地味噌の上澄みの溜りをかけたものが、伊勢うどんのルーツだと言われています。江戸時代初期、伊勢神宮の参道に初めてのうどん屋が誕生。

次々と押し寄せるたくさんの参拝客に手早く出せるように、長旅で疲れた人の胃にやさしいように、太くてやわからかい麺にタレをからめて食べるスタイルが発達したと言われています。今も、旅人をあたたかく迎える気持ちに変わりはありません。

五島うどんは、五島でとれた塩、五島の椿で作った油を使っているのが特徴だと、今回の食べ比べで初めて知りました。

それが独自のおいしさを生んでいるのはもちろん、そのあたりに五島うどんならではの気高さの秘密があるのかもしれません。

3.原材料 誤解されがちですが、伊勢うどんの真っ黒なタレは、生醤油ではありません。東海地方ではおなじみの溜り醤油と、さまざまな魚介の濃い出汁を合わせて、砂糖や味醂で味を調えたものです。

溜り醤油は対岸の三河から運ばれてきて、出汁の原料となる鰹節や煮干しなども豊かな海がもたらしてくれました。伊勢うどんは、伊勢の地だからこそ生まれた味と言えます。

麵に使う小麦も、最近は三重県産を積極的に使う動きが広まってきました。やわらかい麺だからこそ、濃いタレがよくからみます。麵とタレ、お互いがお互いを引き立て合っているところも、伊勢うどんの素晴らしさだと言えるでしょう。

かつてはどこの家庭でも作られていたものの、今は32の製麺所が伝統の技法を守っていると知りました。それぞれが切磋琢磨することで、五島うどんのおいしさにさらに磨きがかかっていくに違いありません。

いつの日か、32種類の五島うどんを食べ比べてみることができたらと夢見ています。

4.製法 伊勢うどんを作る際の最大の特徴は、麵の茹で時間が長いことです。今回の比較対象の五島うどんは、茹で時間は8分でした。伊勢うどんは製造段階で、麵の状態になってから1時間近く茹でます。それを出荷し、お店や家庭で食べる前にふたたび4,5分茹でることで、あのふんわり感が出ると言われています。

タレも、出汁を取る時間の長さは半端ではありません。昔ながらの作り方を守っているあるうどん屋さんでは、5時間ほど大鍋で煮続けるとか。

今回は同封されていた「五島美人」で、あたたかい状態でいただきました。パンフレットでは、和洋中、さまざまなアレンジで食べてみてほしいと推奨されています。

それができるのは、五島うどん自体の魅力に自信があり、どんな味も受け止めてくれるはずという信頼感があるからに違いありません。次回は、また違う食べ方に挑んでみたいと思います。

5.レシピ 伊勢うどんは、ネギだけでシンプルに食べるのが基本です。好みはありますが、一味唐辛子をかけたほうが、その魅力をさらに堪能できるでしょう。昔から伊勢うどんには、七味ではなく一味が合うとされています。しかし、伊勢うどんはトッピングを拒否しているわけではありません。

地元のお店には、卵やトロロ、めかぶ、あるいは肉や天ぷらなど、いろんなバージョンのメニューがあります。オススメなのが、伊勢うどんのタレを隠し味にしつつカレーをかけたカレー伊勢うどん。太くてやわらかい麺なので、カレーがよくからみます。

 

まとめ

五島うどんの「コシの強さ」の原点は、1000年以上に渡り島独自の製法を守り伝えてきた島人の素朴な「強さ」、伊勢うどんの「柔らかさ」の原点は、旅人を思いやる伊勢の人々の「やさしさ」だった。

日本の西端の島に遣唐使によって伝えられたといわれる五島うどん。昔ながらの手間暇かかる素材と製法が、親から子へ、1000年以上にわたって伝えられ、今も変わらず守られているという奇跡。今まで知らなかった「日本のうどんのルーツ」の歴史に、多くの驚きの声が寄せられました。

伊勢うどんは、江戸時代、全国から徒歩で伊勢神宮を訪れる参拝客の、長旅で疲れた身体を気遣い、柔らかく仕上げたうどんが評判となり、名物となったという歴史を知って、他に類を見ない柔らかさのうどんの原点が「やさしさ」「思いやり」だったということに、多くの感動の声が寄せられました。

つまり、うんちく対決から見えたそれぞれの特徴は【五島うどん:守り続けた強さ】【伊勢うどん:人を思いやるやさしさ】でした。

「うどんの日本伝来の歴史」と「伊勢うどんの柔らかさの意味」が、“コシ”だけで語られがちだったうどんの既成概念を覆えし、本当はそれぞれ違うおいしさがあり、それには理由があるということに気づかせてくれました。

今回、「“うんちく込み”でうどんを食べ比べてみる」という試みは、今まであまり考えることのなかった「その料理はなぜ生まれたのか」を知った上で食べ比べることで、それぞれの特徴がより際立って感じられ、ただの「好き・嫌い」ではなく、その料理、食材を生み出した「土地の魅力込み」で味わう興味深い体験となりました。

今や、なかなか足を運ぶことのできない遠い町のものでも、アンテナショップや通信販売で簡単に手に入れることができる時代。ちょっと手間と時間をかけて現地のことを知って食べれば、今まで気づかなかった本当のおいしさが見えてくるかもしれません。

ご当地グルメを楽しむなら、アンテナショップやインターネットを上手に活用して、その地に思いを馳せながら、奥深い魅力をディープに楽しみたいものですね。


今回ご紹介の『五島うどん』『伊勢うどん』は各アンテナショップでお求めいただけます!

日本橋 長崎館
長崎の食・観光・文化等の魅力を発信するため、今年3月にオープンいたしました。「物販」「軽飲食」「観光案内」「イベント」の4つのゾーンで構成し、定番の商品や観光地にとどまらず、多彩な情報を首都圏の皆様にご提供しています。 <交通> 東京メトロ 「日本橋」駅 B7出口 徒歩1分 東京メトロ「三越前」駅 B5出口 徒歩3分 JR「東京」駅 八重洲北口 徒歩5分

 

三重テラス
伝存する最古の正史である「日本書紀」に“満足すべき美しい国”を意味する「美(うま)し国」と記されているほど、歴史と豊かな風土をもつ三重県の魅力伝わる約1,100商品が勢ぞろいいたします。 <交通> 東京メトロ半蔵門線・銀座線「三越前」駅直結(A9番出口) JR総武線快速「新日本橋」駅直結(A6番出口) JR山手線・中央線・京浜東北線「神田駅」徒歩5分